
6年間にわたりアリの研究を続けている別宮くん。
自由研究からはじまったその探究心はとどまるところを知らず、電子工作や映像制作、歴史の調査、AIを使った論文翻訳にまで広がっている。
「生きることとは、調べること」。そんな言葉が自然と浮かんでくるような、知的な熱量に満ちた話を聞いた。
発表のための”手段”だったIT
研究と工作が交錯して生まれた作品
インタビュアー:まずは、「エキスパートコース佳作」「企業賞(河辺商会賞)」「審査員賞(竹下賞)」の受賞おめでとうございます。別宮君はこれまでも何度か出場してもらっていて、「こういう作品があるから、エクサキッズは見逃せない」という時の代表的な例になることが多いので、とても感謝しています(笑)。
別宮くん:ありがとうございます(笑)。こちらこそ、こういう大会は作品づくりのきっかけになるので、ありがたいです。
インタビュアー:研究者のイメージが強い別宮くんですが、ITやプログラミングに触れるようになったきっかけは何だったんですか?
別宮くん:アリの研究を進めている中で、市や県が主催する理科研究発表会に毎年応募しているんです。その資料を作るためにパソコンを使い始めたのが最初のきっかけですね。そこから、資料に必要なCGの制作だったりをするようになりました。
インタビュアー:伝えたいことが先にあって、そのための方法だったんですね。
別宮くん:はい。あとは、電子工作にも元々興味があって、microbitなどをさわったりもしてました。そこからRaspberry Piなどにも派生していって。


インタビュアー:なるほど。資料づくりの手段としてのITと、わくわくする工作としてのITがどこかで出会って、別宮くんのユニークな作品・プレゼンテーションが生まれたんですね。ちなみに、教室などに通ったりしてるんですか?
別宮くん:それが、してなくて。わからないことにぶつかったときに聞ける人がいなかったりで困ることが多いんですが、自分で調べながらどうにか、という感じです。
インタビュアー:技術的なこともそうですが、アリのことでわからないことが出てきたときはどうするんですか?
別宮くん:ネットで論文を読み漁ったりするんですが、今回は初めて外部の方に取材をしました。甲南大学の先生や、『ぐんま昆虫の森』という博物館に電話したりして。
インタビュアー:すごい。色々な方々が協力してくださったんですね。

一つのテーマに突き進む自分
エクサキッズで感じた高さと幅
インタビュアー:発表会にはいつから出場しているんですか?
別宮くん:小学1年生からです。自由研究を提出したときに担任の先生が教えてくれて、そこから毎年続けています。
インタビュアー:いいですね。小学生の発表会だと、別宮君ほどのレベルで研究してる子はなかなか少ないんじゃないですか?
別宮くん:いや、ライバルみたいな人はわりといますよ(笑)。「お母さんの口の中の菌を培養した」みたいな研究とか、すごいなと思いながら見てます。
インタビュアー:そういう意味で、エクサキッズはどう映っていますか?他のプレゼンターなど。
別宮くん:レベルの高さとジャンルの広さに毎年驚いてますね。中には、本当にプロレベルのエンジニアみたいな人がいたりして。
インタビュアー:でも、そういうエンジニアの人から見て、別宮くんもかなり刺激的な存在だと思いますよ。色々なものを駆使していて。
別宮くん:うーん、色々なものをやると、どうしてもひとつのことを極められないところはあるので。
インタビュアー:技術的にはそうかもしれないですが、たとえば別宮くんにとっての「アリ」のように、「ひとつのテーマを極める」という人もなかなかいないと思いますよ。
別宮くん:なるほど。そうかもしれません。
「アリ」という永遠の研究対象
いつか意思疎通ができたら
インタビュアー:別宮くんが研究している「アリ」という生き物は、まだわからないことが結構あるんですか?
別宮くん:そうですね。やっぱり、人間と全く違う社会形態で動いているので、コミュニケーションの仕方などはわかっていないことがとても多くて。
インタビュアー:そうなんですね。先行研究などもよく調べたりしますか?
別宮くん:はい。たとえば、アリの種類は違うんですけど、胸と腹を擦り合わせて音を出して、それでコミュニケーションをとるアリがいて、それを海外の論文で読んだりなど。
インタビュアー:全然知らない世界……ちなみに、色々あるアリの種類の中から、別宮くんはどうして今研究しているアリを選んだんですか?
別宮くん:日本では一番身近だから、というのが大きいですね。たくさん飼えないと必要なデータが得られないので。あと、飼育環境もつくりやすいので、長く観察できるんです。


インタビュアー:なるほど。合点が行きました。変な質問ですが、6年間も同じ虫を研究していて、飽きたりしないんですか?
別宮くん:こういうイベントが終わったあとだと、一旦ひと区切りついたような気持ちにはなるんですけど、飼ってたら結局疑問がどんどん出てきちゃうんですよね。
インタビュアー:根っからの研究者ですね(笑)。最後になりますが、これから研究したいこと、つくりたいものなどはありますか?
別宮くん:夢というか、2年生のときから思ってることなんですけど、アリの言語の仕組みを解明して、アリとコミュニケーションをとりたいですね。
インタビュアー:それは夢がありますね。アリと何を話したいですか?
別宮くん:アリって今、害虫として駆除されるだけじゃないですか。でももしコミュニケーションが取れたら、話し合いで解決できるようになるので。
インタビュアー:素敵な世界ですね。別宮くんなら叶えられそうな気がします。今日はありがとうございました。
別宮くん:こちらこそ、ありがとうございました。












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