初コンテストで最優秀賞を獲得 家族も泣いて喜んでくれた/EXA KIDS 2023 インタビュー記事

EXA KIDS 2023 チャレンジコース最優秀賞を受賞したitsutomoさんにインタビューを行いました。

【チャレンジコース最優秀賞】バランスゲーム / itsutomo

▼プレゼンテーションのダイジェスト▼
https://youtube.com/shorts/-Axq3X0srzE?si=jENJeTzC9O4HtOlO

左:itsutomoくん
インタビュアー:近藤悟 (EXA KIDS 2023 実行委員長)

初のオリジナル作品制作
受賞で家中が大騒ぎに

最優秀賞の受賞おめでとうございます。
細部まで丁寧に作り込まれていたのが印象的でした。普段からコンテストにはよく出しているんですか?

ありがとうございます。
今までコンテストに出したことはないです。
そもそも、オリジナル作品を作ったこと自体、今回が初めてでした。

そうだったんですね。プログラミング教室に通ったりはしていますか。

はい、通ってます。そこで課題というか、お題が出てゲームを作ったことはあります。

なるほど。それで技術を磨いていたんですね。
今回の作品の制作期間はどのくらいでしたか。

7月からなので、4ヶ月くらいです。
制作期間中は、プログラミング教室の授業時間も、授業外の自習の時間も、ずっとこのゲームの制作をしていたので。
それを考えるとかなり時間がかかりました。

とくに時間がかかったのはどの部分でしょうか?

ゲームの方針というか、アイデア自体は一時間くらいで決まったと思います。
その後、実際の制作の部分にとても時間がかかりました。
まだ授業でやっていないプログラムもあったので、教室の先生に教えてもらったりもしながら進めました。

最終プレゼンの時、一次審査のものにさらにアイデアがプラスされてブラッシュアップされていましたよね。あの進化は、もともと予定していたんですか?

最終プレゼンに向けての準備期間に、他の人のプレゼンを聞く機会があって。
それがみんなすごかったので、今のままだといい賞は取れなさそうだと思ったので、もう一つ要素を入れました。

もう一工夫必要だと思ったわけですね。
社会性が感じられるテーマが新たに加わったことでとても面白くなっていたので、その判断は大成功でしたね。
工夫の甲斐もあって、初めてのコンテストで最優秀賞の受賞となったわけですが、受賞した感想を教えてもらえますか?

プレゼンのときに動画とテンポが少し合わなかったり、自分としては「失敗したな」と思った部分があったので、最優秀賞と聞いた時は本当にびっくりしました。
EXA KIDSが終わった今でも、発表の瞬間を思い出すとゾクゾクします。

家族や周りの人の反応はどうですか?

家族がものすごい盛り上がっちゃって。
母が祖父母に「日本一だよ!!」って伝えたせいで、家中大騒ぎになってましたね。笑

最優秀賞なので、「日本一」で間違いではないですけどね(笑)

今の教室でScratchのコースが終わってUnityのコースに入る時、おじいちゃんおばあちゃんからパソコンを買ってもらえることになりました。

それだけ一生懸命やってて結果も出てるなら、周りも応援したくなりますよね。お母さんは、コンテストまでの頑張りを一番近くで見てたでしょうし。

僕以上に喜んでたと思います。
最終プレゼンはプログラミング教室からしたんですけど、本番終わって結果が出たあと、家に帰ったらお母さんが泣きながらお祝いしてくれました。

itsutomoさんの努力と、それを支えたご家族の気持ちがよく伝わるエピソードですね。

今後もコンテストにチャレンジする予定はありますか?

プログラミング教室のコース修了試験に、コンテストに2つ出るというのがあるので、Scratchの作品をもう一つ何かのコンテストに出せたらなと思っています。

「コンテスト参加」という項目が修了試験にあるんですね。面白いですね。
今回のEXA KIDS 2023、itsutomoさんの教室からは他にも何名か応募してくれていて、レベルが高い作品が多いなという印象でした。普段はお互いどんな風に切磋琢磨しているんですか?

プレゼンの時にはみんな教室に集まって、それぞれの作品を見ることになるので、やっぱり刺激を受けますね。

なるほど、定期的に完成品のプレゼンを見あうことで、お互いのすごい部分を自然と取り入れあっているのかもしれませんね。

受賞を決定づけた前日の作り込み
独特のプレゼンスタイルは実は…

今回の作品は、ゲーム性だけでなくUI/UXデザインの細かい部分までとても丁寧に作り込まれているなと感じました。
ボタンにカーソルを合わせると反応があったり、ものを落とす場面で点線が伸びていったり。運営陣のデザイナーも思わず反応しちゃう綺麗さがありましたね。そういった部分は、やっぱりこだわったところですか?

はい。そういうのがあった方が、ゲームとしてもっと面白くなるかなと思ったので。
スマホゲームでよく使われている演出を自分で調べて取り入れました。

なくてもゲーム自体は成り立ちますが、そういった作り込みがあると、「使いやすい」「使っていて気持ちいい」というレベルに向かいますよね。特に工夫した部分はどこですか。

ゲーム画面が、「宇宙から地球を見てる」っていうイメージなんですけど、ゲームの場面が変わるごとに、地球を見ている位置や角度が変わるようにしています。
あと、ゲームタイトルやゲームオーバーの文字も、他のゲームを参考に作り込みました。

すごい。細かい部分の追い込みに、とてつもない執念のようなものを感じます。

最終プレゼンの前々日、前日に、かなりがっつりプログラミング用の時間を取ってたんです。
ただ、ゲーム自体は前々日にほとんど作り終わっていたので、前日に何しようかなって考えた時に、そういう細かい工夫を入れた方がゲームとしてより面白くなるかなと思って、仕上げていった感じです。

少し余裕があったわけですね。でも、システム自体を作り終わって「これで終わり」としなかったからこそ、あのレベルの完成品ができた。常に「何か良くならないかな」と考えている姿勢が素晴らしいと思います。

当日は、作品だけでなく、プレゼン自体にもオリジナリティーがありました。
プレゼン資料を使わず、ゲーム動画に合わせて話していくスタイルが珍しくて面白いと感じたのですが、なぜあのスタイルにしたんですか?

実は、ゲーム自体の仕上げに夢中になっていて、プレゼン資料を作るのを忘れていて…

なるほど(笑)

作品のことをしっかり見ることができたので、結果的にはよかったんじゃないかと思います。

自分の強みとアイデアを活かして
差別をなくすようなゲームを作りたい

初めてのコンテストで、手探りのことも多かったと思いますが、EXA KIDS 2023で印象に残っていることはありますか?

当日、プレゼンする場所に僕がうまく入れないっていうトラブルがあったんですけど、その時にすぐ対応してもらえたことが印象に残っています。すごくいいコンテストだなと思いました。

オンラインだと、ツール間の移動が多かったりして大変ですよね。
きちんとこちらの連携が取れていたようで、よかったです。
他のプレゼンターで印象に残った人はいますか。

誰かというより、みんな本当にプレゼンがうまいなと思いながら見てました。
自分が動画に合わせてしかやってないので、正直見ていてどんどん不安になりましたね。

上手い人を見ると、もっとこうすればよかった、と思う部分が出てきますよね。でも、毎年EXA KIDSを見ていると、戦い方は本当に人それぞれだと感じます。
itsutomoさんの場合は、細かいこだわりまで追求する姿勢が結果につながったと思います。

今後作りたいものや、チャレンジしてみたいことはありますか?

将来的な話になるんですけど、「障がいのある人とそうでない人が、同じように暮らせるような社会作り」を目指したいと思っています。

とても大きな目標ですね。もしよかったら、理由も聞かせてもらえますか?

自分には知的障害のある弟がいて、そのことが大きいです。
今実年齢が4歳で、脳年齢が2歳半くらいなんですけど、差別を受けたり、理解されにくい空気を感じることがやっぱりあります。
外で癇癪起こしてしまったりすると、理由を知らない人から「しつけがちゃんとしてない」と言われたりなど…。
そういう雰囲気や社会の仕組みを変えられないかなと思っています。

なるほど。
法律を整備したり、街づくりからアプローチしたり、様々な方法があると思いますが、どうやって実現しようというイメージはありますか。

まずは「知ってもらう」ことが大切なのかなと思っているので、障がいのある人のことを正しく知ってもらえるようなゲームを作ったりして、差別をなくしていくことにつなげていければと思っています。

いい目標ですね。itsutomoさんならきっと実現できます。
今の話を聞いて、改めて今回の作品を思い返すと、itsutomoさんの持っている優しさや思いやりのようなものが伝わってきますね。今後の作品もとても楽しみです。今日はありがとうございました。

ありがとうございました。

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