EXA KIDSで見つけ合った仲間と どんな楽しいことができるだろう/EXA KIDS 2023 インタビュー記事

EXA KIDS 2023 チャレンジコース優秀賞を受賞したLilyさんにインタビューを行いました。

【チャレンジコース優秀賞】Tabicoding / Lily

▼プレゼンテーションのダイジェスト▼
https://youtube.com/shorts/t8l73sr2UM4?si=HI_lJQRModO2CtV6

左:Lilyさん
インタビュアー:近藤悟 (EXA KIDS 2023 実行委員長)

綺麗なものを見たときに
「プログラミングでできるかな」と考えるように

受賞おめでとうございます。

今回の『Tabicoding』はp5.jsを使った作品でしたが、プログラミング歴はどれくらいですか?

2年くらいです。
小学4年生の時、「簡単にプログラミングを始められるよ」とお父さんに教えてもらったのがきっかけで、Scratchを始めました。

わりと最初からハマりましたか?

それが、Scratchは正直あまりよくわからなくて、ピンと来なかったんですよね。
でも小学5年生の時に、TENTO(テント)という教室のオンライン講座を受け始めて、そこでp5.jsを知り、「ブロックじゃないプログラミング」が面白くて、そこからハマっていきました。

なるほどなるほど。
今回のEXA KIDS以外にも、コンテストに参加したことがありますか?

はい、Scratchですが、PCNやあいづのコンテスト(あいづプロコン)に出しました。
個人だけではなく、グループでテクノベーションガールズに参加したこともあります。2020年にEXA KIDSで最優秀賞を取った川口あかりさんとか、CoderDojoやEXA KIDSにも結構出ている子たちと一緒に。

実力あるメンバーと肩を並べて出場してるのはすごいですね。
教室やコンテストで、色々な出会いに恵まれているんですね。

そうですね。自分よりもすごい人たちに囲まれて、いつもインスピレーションをもらっています。「私もあんな風になりたい」と思って、頑張っています。

周りのすごさを自分の原動力にできるのはとてもいいですね。

他には、日々の生活のどんなところからインスピレーションを受けていますか?

実は今年の4月からマレーシアに住んでいまして、今回の『Tabicoding』という作品は、マレーシアのジョージタウンの綺麗なアートを見たことがきっかけで作りはじめました。「プラナカンタイル」っていう綺麗なタイルがあって。

元々、アートや絵に興味があったんですか?

絵やアート自体に興味はなかったんですが、写真を撮ることは大好きでした。
でも、ジョージタウンの綺麗な模様を見てから、「写真を撮っているだけじゃもったいないな」と思うようになって。
「絵は描けないけど、プログラムでなら作れる!」と思い、作り始めました。

プログラミングが、Lilyさんにとっての表現方法になったわけですね。

そうですね。気に入ったもの、綺麗だなって思ったものを「プログラミングでできるかな」って考えるようになりました。
『Tabicoding』も、タイルの模様だけではなく、海の波や、夜に光り輝いてるライトといった景色もモチーフに取り入れています。

“初めて”だらけの1ヶ月間
新しいことに挑戦することが好き

『Tabicoding』は、Webサイトも含めて、制作期間はどれくらいですか?

3ヶ月くらいです。Webサイト自体に2ヶ月、Unityのワールドに1ヶ月、くらい。
ただ、それ以外のWebサイトに載せてるスケッチとかは、前に作ったものも使っているので、そういうのも含めると1年以上かかっていると思います。

こつこつ作りためてきたんですね。
でも実装自体は3ヶ月というのは、想像していたより短かったです。

Webサイトを作ったのは、マレーシアであったコンテストがきっかけでした。
その後にEXA KIDSがあって同じものを出したら、ファイナリストに選ばれて。そこから最終プレゼンまでの1ヶ月の間で、Unityのワールドを作ることにチャレンジした感じです。

Unityは使ったことがあったんですか?

いえ、なかったです。Unityどころか、Blenderもあまり使ったことがなくて、もっと言うと、Webサイトを作るのに必要なTML、CSS、javascriptなんかは本当に全然触ったことがありませんでした。

それだけ色々なことに同時に挑戦するのはすごいと思います。
どうやって習得していったんですか?

Webサイトに関しては、レッスンを受けました。
Unityは本から始めましたね。
元々、新しいことに挑戦するのが好きなんですよね。

それだけ色々やってたら、やっぱりパソコンに張り付きっぱなしになりますか?

コンテストが近くなると、やっぱり長いこと張り付いていますね。
ただ、本当にやらないといけない時以外はパソコンから離れる時間も取るようにしていますよ。バイオリンを弾いたり、他の好きなことをやったり。

バイオリンを弾くんですね。EXA KIDSに参加する人は音楽をやってる人が多い印象です。

そうですよね。他の出場者の方も、みんな楽器をやってるんだなあと思って見てました。

楽器での表現は、ものづくりと共通するところがあるのかもしれませんね。

作品やコンテストを通して
ともに楽しめる仲間と出会いたい

改めてになりますが、今回受賞した『Tabicoding』のポイントやこだわった部分、苦労したところなどを教えてください。

一番大変だったのは、Webサイトのギャラリーをjavascriptで組んだことです。スクロールしてどんどん模様が現れてくる動きに使っているんですけど、元々勉強してたp5.jpと今回新しく勉強した言語の仕組みが違っていて。
p5.jpだともうちょっと簡単に使えるようになってるんですけど、javascriptはすごく難しかったです。

なるほど。極端なことを言えば、機能的にはスクロールできることは必須ではなかったと思うんですが、それはやっぱりやりたかった?

確かになくてもいいんですけど、UIを考えるとその方がいいと思って。こだわりたかったところです。

自分の「こうしたい」にこだわって手を抜かない姿勢は大切ですよね。そうして細部まで追求した『Tabicoding』、受賞した時はどんな気持ちでしたか?

受賞するなんて思ってなかったので、本当に嬉しかったです。
でも、自分の場合、コンテストに出す時に「この作品が100点満点!これで勝ちたい!」という気持ちは実はあまりなくて。「コンテストで誰かに見てもらって、いいなと思ってくれた人と一緒に何かやりたいな」っていう気持ちの方が強いんですよね。

なるほど。そのときの順位そのものよりも、EXA KIDSをきっかけに広がっていく可能性の方が重要だということですね。
Lilyさん自身は、他の人のプレゼンも見てみて、どうでしたか?

特に印象に残っているのは、そうすけくんの「食虫植物からの脱出」とあんじくんの「猫のいる小さなセカイ」ですね。
そうすけくんは私よりひとつ下なんですが、私が5年生の時はあんなにできませんでした。あんじくんは、自分が問題だと感じたことを、自分の作品で解決しているというのがかっこいいと思いました。

二人とも、今回上位に入賞されてますね。

はい。でも、みんなすごかったと思います。
正直なところ、他の人はみんな自分よりすごいなっていう気持ちで見てました。

何か新しいことを学んでみようとか、よし何か作るぞ、という気持ちが刺激されますよね。
『Tabicoding』のブラッシュアップを含めて、EXA KIDSを終えて、今後やりたいことなど、考えていることはありますか?

今回の制作を通して、Webサイトのことが少しわかるようになったので、次はアプリの作り方を学びたいなと思ってます。Pythonとか、AIにも興味があって。

本当に新しいことへのチャレンジが好きなんですね。

あとは、まだプログラミングをやったことがない子たち、特に女の子たちに、もっとp5.jpの面白さを知ってもらいたいなと思っています。

「プログラミングの魅力を広めたい」という気持ちがあるんですね。

はい。とくにマレーシアに来てからそう思うことが増えました。
アメリカなどもそうですが、マレーシアにもプログラミングの授業があるので。
でも、日本ではあまり習わないので、もっと魅力を知って欲しいなっていう思いがあります。

魅力が伝わって、仲間が増えていくといいですね。
ちなみに、『Tabicoding』という作品そのものをもっとパワーアップさせていくようなことは考えていますか。

ワールドの方は、私のスケッチだけじゃなく、参加してくれている他の人のスケッチも載せられるようにしたいと思っています。
「私はこれ作ったよ」って、お互いに見せ合えるようにしたいなと思っていて。
あとは、フィードバックフォームなど、細かい部分の調整をするつもりです。

なるほど。Lilyさんのワールドで一緒に楽しめる機能が今後実装されていくんですね。
その点で言うと、今はどんな風に参加すれば一緒に楽しめますか?

『Tabicoding』を始めてもらって、作った作品を発信してもらえたら嬉しいです。
まだありませんが、X(旧Twitter)のハッシュタグを作って、投稿できるようにしたいなと思ってます。

#Tabicodingというハッシュタグで、たくさんの人の「綺麗だと思ったもの」が並んだら、壮観でしょうね。その景色が見れるのを楽しみにしています。今日はありがとうございました。

ありがとうございました。

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