胸を借りるつもりで挑んだ最終選考。 プレゼンの特訓を重ねて手に入れた 伝える技術と伝わる楽しさ

「EXA KIDS 2020」受賞者の堀 充紀くん(当時小学4年生)は、クラスでなかなか大きな声を出せない子のために音声認識を活用したゲーム「もっとキッパリ★つたわるキモチ」を制作しました。声の大きさによりキャラクターを操作したり、お題の文字を声で入力するこの作品で準優秀賞を獲得。プログラミングを始めた当初からコンテスト出場まで見守ったお母さんにお話を伺いました。

〈本番当日 表彰式の様子〉

「遊んでいるだけじゃなかった」
出場して気づいた息子の努力

-充紀くんがプログラミングを始めたきっかけは?

小学1年生から2年生に上がる春休みにタブレットを渡したのがきっかけでどんどんのめり込んでいきました。本人は「勉強しよう」という気持ちより「ものをつくるのが好き」だから夢中になっているみたいですね。

息子は「のめりこみ体質」なのでプログラミングに没頭しすぎると生活リズムが乱れてしまうのが悩みどころです。タブレットやパソコンを触る時間を制限しているんですが、なかなか親が思う通りにはいきません。せめてやることをやってからにして欲しいなあ、と(笑)

でも、今回のコンテストで結果をいただいたので私も夫も見方が変わってきたんです。いつもは「スクラッチばっかりやっていないで宿題を早くやりなさい」という気持ちだったんですが、「ただ遊んでいるだけじゃなかったんだな」と気が付きました。

プログラミングに熱中する息子のことを認めてあげたいし、その能力をもっと伸ばしてあげたいなという気持ちが生まれました。

〈本番当日 プレゼンの様子〉

テストプレーはおばあちゃん
フィードバックで改良を重ねる

-コンテストに出場してみていかがでしたか?

レベルの高さにびっくりしました。一次審査は団体審査だったんですが、同じ組になった子があまりに見事なプレゼンをしていて。予選でそこまで準備しているなんて、「考えが甘かったな」と感じました。

だから、一次審査通過の通知がきたときにはびっくりしました。ここまで来たらあとはもう胸を借りるつもりで行こう、と覚悟を決めて、でも「プレゼンだけはしっかり準備していこうね」って充紀と話したんです。

-それから最終選考に向けて特訓を?

ええ。本人は作品やプレゼンを分かりやすくつくったつもりでも第三者にはなかなか伝わらない。私が聞く側になって「ここが伝わりづらいよ」とフィードバックをしていきました。あとは、おばあちゃんが近くに住んでいたので、作品をプレイしてもらっていましたね。

ゲームの途中でヒントがでるようにつくっているんですが、おばあちゃんはそこに気が付かなかったりします。それで、ヒントに気が付きやすくするために点滅で表示させるなど改良していました。

プレゼンの特訓で身についた
伝える技術と伝わる工夫

-受賞したあとの変化は?

学校の先生から「クラスで発表するとき、自分のアイデアや創意工夫した部分を聞き手に分かりやすく発表する意識が高まっていますね」と言っていただきました。昨年、コンテストが開催された時期と重なっていたので、プレゼンの練習が効いたのかな、と思います。

おばあちゃんに分かってもらえない部分をどうやったら分かりやすく伝わるか考え抜いて、なおかつ5分という時間制限があるなかでどう伝えるか試行錯誤したのが力になったのかな、と。人に伝える力を鍛えられた経験だったんだと思います。

-今後、この大会に期待することは?

もともと福岡で開催される大会だったそうですが、2020年はコロナ禍でオンライン開催だったので遠くに住んでいる私たちも参加できました。今後も県外からも参加しやすくオンライン、対面のハイブリッドで開催してもらえたら参加しやすいなと思います。

あとは本番当日、控え室があってそれがすごく良いなと思いました。緊張をほぐしたり、雑談したり。最初は、ZOOMで控え室ってどんなものかな、と思っていましたが、オンラインのイベントでもそのバックヤードで仲間と楽しく過ごせたりしたのがすごく良かったので御礼を伝えたいですね。

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